まず、言っとこう
企画とは
「あれやりたい!!」
「これやりたい!!」
「こういうアイデアどう?」
みたいな
やりたいことを連ねたり、アイデアを出すのが仕事ではない。
アイデアを出すだけなら、企画の人じゃなくてもできる。
デザインの人でもできるし、インフラ担当でも、エンジニアの私でもアイデアを出すだけならできる。
なんなら、そこらへんの道歩いている人でもできる。
てか、実現可能か不可能かを無視したら、部外者の方が良いアイデアを出してくれることはよくある。
じゃあ、何が企画の仕事なのか??
たくさん出ているアイデアを消す事だ。
たくさんあるアイデアから優先順位を決めて、
何が今のサービスに対して影響力が高いかを考えて、
今やる必要のある作業を選ぶ仕事が企画の仕事だ。
機能や画面(ページ)をやたらと作らせたり、類似のサービスと比較するのは、自分達が作るサービスを落とし込めていなからだ。
作り上げるサービスに対してのコンセプトを徹底的に追求して、無駄を剃り落とすこと。それが企画の仕事だ。
もう一回書こう。
作り上げるサービスに対してのコンセプトを徹底的に追求して、無駄を剃り落とすこと。それが企画の仕事だ。
そして、無駄を削ぎ落とした後に必要なことは、作業順位を決めることだ。
Twitterで考えよう
A. ツイートする機能
B. リツートする機能
C. ツイートを表示する機能
D. ユーザーをブロックする機能
E. DMを送る機能
他にもTwitterには機能はあると思うが、いかんせん自分はTwitterを理解していないので、A〜Eの機能に絞って考えて欲しい。
まず、最初に作る機能として、Aというのは反対意見もないだろう。
Twitterのサービスの核となる機能だ!
「140文字」「つぶやき」
Twitterの代名詞的機能だ。
そして、次に作るのはCの機能だろう。
表示機能を作ることで、Aで作成した機能の確認もできる。
しかし、ここで企画の人間のセンスが問われる。
ツイートを表示する機能を どこまで作り込むかだ!!
何件表示するか?
ページングさせるか?無限スクロールにするか?
文字や日付の検索機能をどうするか?
ソート機能はどうするか?
リリース前にどこまで作り込み、リリース後のどのタイミングでどこまで作り込むか。
ココらへんのサジ加減が本当に難しい。
そして、エンジニアは苦手だ。
ここを間違えると、これから先の作業が全て遅れてしまう。
大事な機能の開発で作業が遅れるならまだしも、誰も使わないような検索機能やソート機能のせいで作業全体が遅れると本当にイライラする。
次に作るのはBの機能だろう。リツートというのが何かわからないけど。。
自分だったら、A、C、Bの機能を作ったら、サービスをリリースするだろう。
そして、サービスが流行って厄介な奴が現れたら、Dの機能をつけるだろう。
Eの機能は開発したくないが、サービスが普及してきたら文句を言いながら開発するんだろう。
Twitterは実際に大ヒットしたサービスだから良いが、
多くの機能を作り込んで盛り込んだサービスがヒットしなかったら、多くのリソースが無駄になる。サービス撤退の判断が遅れることは会社の経営にも大きな影響を与えてしまう。
Webサービスの良いところは、追加、削除、編集が容易なところだ。
リリース後に様子を見ながら、サービス拡大、縮小、撤退の判断をしながら、サービス更新するのが理想の形だ。
サービスの優先度を決める際にもう1つ大事な要因がある。
人員や資金力が十分にあるかの判断だ!!
当たり前だが人員が少なければ、作業量は少なくなり、
納期も長くなってしまう。
人数が十分でも、適所に適材な人員がいないと作業の進みはよろしくはない。
エンジニアと言っても、
バックエンドが得意なプレイヤー
フロントが得意なプレイヤー
など、得意分野は人それぞれだ。
まずは今用意できる人員で、できる範囲でサービスを作ることが企画の仕事だ。
また運用コストも考慮して作業の優先順位を振らなければいけない。
リアルタイムのランキングを作るには、RedisのようなNoSQLが必要だし、
サービス内でのメッセージ機能を作るとしたら、Queueストレージが必要だ。
「最初はサーバー1台で作って下さい」
とかいう企画の奴に限って、メッセージとかリアルタイムランキングを作れとかいう奴が本当に多い!!
1台のサーバーにいろいろなミドルウェアを組み込むと障害時に原因を特定するのに時間がかかるんだよ。わかるか?オマエが障害時に対応してくれるのか?
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勿論、上記の事は全て、豊富な人員や資金力があればイチイチ考える必要はない。
人数を掛けられるなら、組み込みたい機能を全て組み込めばいい。
人員が少なければ、資金を使って外注すれば問題解決できる。
適材な人員も、スペシャリストを外注すれば良いだけの話。
豊富な資金力と人員のある会社なら企画の仕事はアイデアを出すだけでもいいかもしれない。
最後に、
エンジニアとして、2016年にリリースされた「ポケモンGO」というアプリに自分は感銘を受けた。
当時はスマホのゲームを作る時に企画から
・マルチ対戦
・毎週イベント
・ログインボーナス
・お知らせページ
・プレゼント
この5つの機能を組み込まされる事が多かった。てか、手がけたスマホゲーム全てこの機能を組み込んでいた。
しかし、上にあげた5つの機能を「ポケモンGO」はリリース直後には実装されていなかった。
我驚愕
ポケモンといえば、
「自分が大切に育てたポケモンを友達と対戦できる」というのが、ゲームの醍醐味だが、
リリース初期のポケモンGOはポケモンを捕まえることにフォーカスを当てており、
自分が育てたポケモンで友達と対戦ができない。
だけど、ゲームとしては成り立っている。
ポケモンGOをやった時に本当に感じたよ。コレが企画力だよ。
最小限に機能を削ぎ落として、世界観を押し付けるような作り。
私はポケモンGOを2週間くらいで飽きて辞めてしまったが。
無駄な企画が減り、エンジニアの仕事が減る日を私は待っています。
もしくは、AIが人間から仕事を奪ってくれる日を